[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
しかも連載形式です。
短文で、毎日更新を目指してみたいなあ・・・・・どうかな(笑)
今までの海賊SSとは別物として楽しんでいただけたらと思います。
軽めのノリですが、微妙にRかも。
ほら、夏だからね!(意味不明)
それでも大丈夫という方は、どうぞ続きを読んでみてくださいませ♪
『君が好き。』 1
自分なりに色々と考えた結果なのだと言ったら、今まで見たことも無いくらいの勢いで激怒されてしまった。
いや、もともと怒りっぽいヤツだなとは思っていたのだ。
けれど今回の怒りようは今までとは比べ物にならないくらいすさまじくて、さすがのゾロも一瞬「早まったか」と後悔しかけたくらいだった。
しかし、相手がどう反応しようと自分の発言は自分にとっては睡眠時間も惜しむくらい考えに考え抜いた結果のものだったので、やはり後悔はしないことにしたのだ。
そもそも「早まったか」と思ったのだって、口にしたのが早すぎたか、という後悔であって、コレを相手に選んでしまったことに対する後悔ではまったく無かったのだから。
そこまで自分の頭の中で思考をめぐらせてから、ゾロは改めて目の前で騒いでいる相手を見た。
ゾロがじっと考えをまとめながら黙っている間にも、ソレはぎゃんぎゃんとわめき続けている。
ぎゃんぎゃんというよりも、キャンキャン?
いや、それでは子犬のようだ。
どちらかといえば犬というよりは・・・・・アヒル?
アヒルってどう鳴くんだったか。
怒り狂う自分を見ながらそんなくだらないことをゾロが考えていると知ったら、目の前のソレはきっと一段と怒りを深くするのだろうけれども。
子犬だとしても、子アヒル(?)だとしても、これが『かわいい』ということに変わりは無い。
ゾロはそんなことを心の中で思いながら、目の前で騒ぐサンジを見つめ続けていた。
ことの発端はこうだ。
昼ごはんを終えておやつを待ちながら甲板で楽しく騒ぐ麦わらの船長たち年少組を、少し離れた場所で船室の外壁にもたれるように座り込んで眺めていたゾロが唐突に口を開いた。
「おい、ルフィ。」
大声を上げたわけではないが、年少組の騒ぐ中でもゾロの声は不思議と良く通った。
なので、呼ばれた船長もすぐに返事を返す。
「おう、なんだ?ゾロ。」
いつもどおりの屈託の無い笑顔で振り返ったルフィに、ゾロはちょっと考えるように間をおいてから続けた。
「お前はこの船の船長だよな。」
「おう!俺はメリーの船長だ!」
突然何を、と周りにいたクルーたちはそれぞれの居た場所から二人のやり取りに注目している。
「俺たちは皆、この船の、お前のメリー号のクルーだよな。」
「おう!俺の大事な仲間だ!!」
船長がますます張り切って答える。
そのルフィの返答に納得したように一つうなずいて、ゾロはそれまでもたれていた壁から背中を浮かせて姿勢を正すと、まっすぐに船長へと視線を向けた。
「だとすると、俺はお前に断っておかなきゃならないことがある。」
「んー?なんだ?」
深刻なわけではないが真剣な気配を滲ませたゾロの声に、甲板に集まって思い思いに午後のひと時を過ごしていたクルー全員がちょっと驚いたように押し黙ってゾロの次の言葉を待っていた。
「船長。」
「おう。」
その注目に気が付いているのか、ゾロは続きを促す船長の声に一つ息を付いてから、それでもさらりと言ってのけたのだった。
「コックを貰いてえ。」
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------