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つい今さっきの、我が家での会話。


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『おかえり』



 がたん、と音がして玄関のドアが開け閉めされたのが分かった。

 程なくしてリビングのドアが開く。
 開閉のその一瞬だけで玄関前の冷たい空気がさあっと流れ込んできて、せっかく温まっていた室内の温度が少し下がってしまう。

 「・・・・・・・・・・さみぃだろ」

 サンジは座っていたパソコンデスクの前からくるりと椅子を回して帰ってきたゾロのほうを振り返った。
 コートを脱いでソファの背にかけるその姿に思わず眉が寄る。

  「お?・・・・・ああ、悪かった。」

 
 あっさりと謝って寄越すゾロに、サンジはさらに不機嫌そうに口を尖らせた。
 室内の温度が下がった、そのことが不満なのではないのだ。
 

 しかしゾロはそんなサンジの様子に気がつきもせず、エアコンのリモコンを手に取ると温度調節などを試みている。

 ぴっ、と音がして、程なくふあっと暖かい風がサンジのほうへと流れてきた。
 ゾロがサンジのほうへと温風が流れるようにエアコンを調節したらしい。

 そうじゃねぇだろ! 

 がたん、とサンジがちょっと乱暴な勢いで椅子を立ち上がった。
 スーツのジャケットも脱ごうとしていたその腕をぐっと脇から掴む。
 「ん?」と顔を回してサンジのほうを見たゾロの身体にサンジは両腕を差し伸べた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・どうした?」

 あやすようなその声がさらにむかつく、と心の中で思いながら、サンジはゾロの背中に回した腕にぎゅうっと力をこめた。
 寒空の下を歩いてきたせいでゾロのシャツからもひんやりとした冷気が感じられるようだ。
 しばらく無言でそのままゾロを抱きしめたまでいると、ゆっくりとゾロの腕もサンジの肩を抱きこむように回されてきた。

 「どうした?」
 「・・・・・・・・・・・どうした、じゃねえ」

 不機嫌さを隠しもしない声でサンジが答えると、ゾロが喉の奥でちょっと笑った。

 「ほんとどうしたんだ?ちょっと遅くなるって連絡入れただろ」
 「ちげぇよ。そんなじゃないってんだ」

 じゃあなんだ、と笑いを含んだような声で言うから、サンジは顔を上げることもできなくなった。
 きっと「拗ねてる」とか思われてるに違いない。そんな風に自分のことを思って、きっとわがままな子供でも見るような目で自分を見ているに違いないのだ。
 それが手に取るように伝わってくるから、サンジはゾロから顔を隠すように抱きついた姿勢のままぐりぐりとゾロの胸元に額をこすり付けた。

 「じゃあなんだ」
 「・・・・・・・なんで歩いて帰ってくんだよ」
 「あ?」
 「駅着いたら連絡しろって言ったろ」
 「ああ・・・。いや、いくらなんでも自分ちに帰ってくる道くらいもう覚えたぞ」
 「そうじゃねぇ」

 『ああもう』と呟いて、サンジはもう一度ぎゅうっとゾロに抱きつく腕に力をこめた。

 「迎えに行くって言っただろ」
 「いやだから」
 「車で迎えに行くつもりだったんだよ」

 サンジの言葉に、ゾロが一拍置いてから『ああ』と答えて寄越した。

 「寒い中、歩いて帰ってくんな」
 「ああ・・・。そうだな。悪かった」
 「・・・・・・・・・寒かったのはお前だろ。俺に謝るな」
 

 まだ拗ねたような口調を止められないサンジに、ゾロがちょっと笑ったような気配が抱きついた身体越しに伝わってくる。

 「ああ、寒かったな」
 「だから迎え待ってりゃ・・・」
 「寒かったから、駅前で待ってるより早く帰ってきたかったんだよ」

 早くお前が待ってる家に帰りたかった。

 そんな甘やかす様なことをゾロが言って寄越すから、サンジもいつまでも拗ねたままではいられなくなる。
 もう一度ぎゅっと腕に力をこめてから、サンジはようやく顔を上げてゾロを見た。

 「・・・・・・・・・・おかえり」
 「おう、ただいま」

 顔を上げたせいで少し離れた身体を、今度はゾロの両腕がぎゅうっと力をこめて繋ぎ止めた。



 いつの間にか、ゾロの身体もサンジと同じだけ暖かくなっている。







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うぎゃーーーーーーーーーー。

自分で書いておいて良くわかんない。
すみません。
会話のごく一部(あくまでもごく一部!)のみ、我が家でのオットと私の会話でした。

いやいや、こんな甘々じゃないよ!! 
 

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